泌尿器科の病気の話

第03回 尿が近い 〜男性編

尿の回数が多いことを「頻尿」といいます。頻尿は昼だけ?夜だけ?昼夜ともかを考えてみます。 水分の取り方は多すぎないでしょうか。また頻尿のみか、出づらさも伴うのか、不快感(痛みやすっきりしない感じ)もあるかを思い出してみましょう。代表的な病気は以下のようなものです

① 前立腺炎

中高年だけではなく20-30歳代でも生じます。尿の回数は日中に多く夜間就寝中はトイレ に起きないのが普通です。頻尿以外に残尿感、肛門周囲や下腹部の違和感を自覚する場合 他に精巣が引っ張られるような痛み、精液に血液が混じることなどもあり、症状は多彩で 個人差があります。当院では症状に応じた内服薬の治療の他日常生活の指導なども行って います。

② 前立腺肥大症

50歳以上で、頻尿や尿の勢いがない、切迫感(間に合わない感じ)などを自覚します。 症状は季節的な変動や体調などでも変動しますが、自覚症状は内服薬で改善することが ほとんどです。当院では自覚症状に適合する内服薬で治療すると同時にPSA(血液検査) で前立腺ガンの有無もチェックしてガンの早期診断に役立てています。

③ 膀胱の機能障害(過活動膀胱など膀胱が小さめの場合)

前立腺の問題がなくとも、頻尿や尿意切迫感、切迫性失禁などを感じる方がいます。 脳梗塞に代表される脳神経外科の病気をお持ちの方では高率に排尿の症状を合併します。 人によっては頻尿で漏れもあるが出づらさもある、という方もいますが、当院では詳細に症状を伺い丁寧に診察したうえで最適な治療薬を見つけるようにつとめます。

④ 膀胱の機能障害(低活動膀胱など残尿が多い場合)

膀胱の知覚が鈍くて尿意があまり感じない、膀胱の収縮力が弱いために自分では排尿を出    し切ったと思っても残尿が多く排尿後すぐしたくなって頻尿となります。 糖尿病を長く患った方に多いですが、他にも腰部脊柱管狭窄症など背骨の病気のある方、 原因不明の方もいます。このタイプの方に過活動膀胱治療薬を用いるとかえって残尿が増 えて症状が悪化することがあります。当院では排尿後の残尿を超音波で計測して適切な治 療薬を試していきます。

⑤ 夜間多尿(メタボと頻尿)

 

日中はそうでもないのに夜間のみ頻尿の場合には、膀胱や前立腺の問題ではなく夜間に尿 が多く作られることが原因である場合があります。心臓や循環器の病気をお持ちの方や 睡眠時無呼吸など呼吸器の疾患でも夜間多尿は生じますが、単なる肥満も夜間のホルモン 分泌のアンバランスで夜間多尿をきたすことがあります。当院ではこのような夜間多尿が 疑われた場合には、排尿日誌などの日常の排尿の記録を数日つけていただき診断の材料と しています。

腎臓内科/泌尿器科/血液透析

腎臓内科と泌尿器科の専門クリニックです。あらゆる腎臓病と泌尿器疾患について確実な診断と適切な治療、わかりやすく親身な説明を実践しています。

また”維持透析”療法はその名の通り、休むことなく継続が必要な治療です。一人ひとりの患者様と”じっくり”時間をかけてむきあい専門性のある医療を提供するのみならず、”かかりつけ医”として何かと頼りにして頂くことができるよう、患者様に寄り添う 医療を理念に診療にあたっております。